自分では気づかずにあなたは人を傷つけている?
言葉のクセというのは、「自分自身では気づかない」という特徴を持っています。したがって、このクセを知ることによって、あらためて自分自身の「ものの見方・考え方」というものをある程度把握できることになります。
従業員とお客様、上司と部下、先生と生徒など「立場」が明らかに違うときなどは、特に、無意識のうちに言葉クセが出てしまいがちです。そして、その言葉グセが実は相手を自分から遠ざけてしまう原因になることも少なくありません。「えー」「あのー」という言葉グセからはじまって、「こんなこともわからないのか」という頭ごなしに決めつけるものの言い方。
「ですから、何度も申し上げたように・・・」に代表される、結果を先取りして、自分の言いたいことばかりを考えていて、相手サイドに目を向けない言い方。
「私的には・・・」「~みたいな感じ・・・」と自分自身の意見をぼかして相手に委ねるような言い方。
そして、「悪いけど・・・」「~っていうか」のような相手の意見を否定するだけで、相手の意見を聞いたり受け入れる余裕のない言い方など、さまざまな言葉グセを私たちは走っているものです。
ついてしまう不快発言を見つける方法
では、このような「言葉グセ」は、どうしたら発見できるのでしょうか。その方法をご紹介します。
まず、第一は「周囲の身近な人に聞いてみる」ということです。身近な人であれば、いつも顔を合わせているので言葉グセについても発見しやすいはずです。自分でも気づいていないクセですから、意外な自分自身のクセを指摘されるかもしれません。
その場合に注意したいことは、相手の指摘に対して「そんなはずはない」などと反発しないことです。「あっ、そうね・・・」「なるほど、そんなこと言ってるかなぁ~」などと、まずは素直に聞き入れるようにすることです。そうすれば、相手も、「気づいていなかったのか?」あなたに対して新しい見方をするようになるでしょう。
さらには、今度は相手のほうから、自分の言葉グセについて教えてほしいなどと働きかけてくるかもしれません。そうなれば、お互いの見方や思い込みなどにも変化が出てくるかもしれません。
2番目の方法は、周囲の人達の言葉グセを逆に観察してみることです。気になる言葉や言い回し、表現を使われたときに、自分自身がどのような感情を抱くのかを確認しておくためです。
人間は、自分で実感できないことや、納得のいかないことには力を注げないものです。そこで、相手がその言葉を発した時の自分自身の受け止め方を、しっかりと認識しておくのです。そして、もしも相手の発言が気になるようであれば、その場で相手が言ったとおりの言葉を繰り返してみてください。そうすれば、相手にも、しっかりと認識させることができるからです。
そして、3番目の方法は、話すときに、できるだけ話の間に「間」を取るということです。「間」をとれば、余裕をもって相手の反応をチェックできます。たとえば、自分が発した言葉によって、相手が少し表情を変えたら「何か気になったのか?」などと、その場で確認することができるからです。
言葉ぐせというのは、人に言われて気づくケースが多いものです。それだけに、それをきちんと指摘してくれる人がいればいいのですが、現実にはなかなかそうはいきません。まずはしっかりと、わが身を振り返ることが大切です。
★最後に一言★
人前で話す事は経営者には避けては通れない道です。苦手な分野も一緒に克服してみませんか?