ひと昔前のアルバイトやパートの求人と言えば、公共職業安定所での募集か店舗に貼るチラシくらいしかありませんでした。
若い人にとっては公共職業安定所といっても、ピンとこない人も多いかもしれませんが、ハローワークと聞けばわかっていただけるのではないでしょうか?
しかし、今はどのようなアルバイトやパートの人材を求めているのかによって、様々な媒体で求人を行う事ができます。
また、この媒体を間違ってしまうとコストばかりを消費してしまい、肝心の「アルバイトやパートの求人の応募」という目的が期待できないことが多くあります。
それでは、そんなアルバイトやパートの人材が「来る求人」と「来ない求人」の違いをわかりやすく説明したいと思います。
求人をする際の募集媒体
ハローワーク(公共職業安定所)
公共職業安定所は国民に安定した雇用機会を確保することを目的として厚生労働省が設置している行政機関です。
1990年からより親しみやすいことを目的として、通称名が「ハローワーク」という呼称が用いられて浸透しています。若者にとっては「ハローワーク」といった方がなじみがあるのではないでしょうか?
公共職業安定所(ハローワーク)での求人は、ジョブカフェやジョブサロン等の名前で行政機関が運営している施設と同様で、求人者との接点を持つには無料で求人募集ができるといった点を含めて効果的です。
しかし、雇用保険による失業給付金を実務も行っており、雇用保険を受給する為には受給者への一定の職業探しを義務付けています。そういった影響もあり真剣ではない求職者の利用も考えらます。
また、厚生労働省が設定している行政機関となっていますので、様々な面で安心して利用できるといった点は、募集する企業にとっても、応募する求職者にとっても好評です。
新聞折込広告
企業や店舗からの近場のパートや、勤務地限定の正社員などを募集するには便利なのが新聞折込広告です。
指定した場所、指定した枚数以外に配布されることはありませんので、勤務地周辺での募集に適しているといえます。
しかし、昨今、新聞を自宅に配送してもらわない家庭は増加していますので、費用対効果は落ちていると考えられます。
また、費用も数万円から数十万円までと高額になるなりますので、中小企業での導入には難しいのが現状です。
求人専門無料雑誌への掲載
上記の新聞折込広告よりも広いエリアからの募集が可能ですので広範囲エリアからの募集には適しています。
しかし、新聞折込広告と同じ数万円から数十万円までと、費用は高額になり小さな店舗や少人数の募集となると費用対効果に疑問が残ります。
また、折込広告と同様に他社との差別化を意識した掲載内容にしなければ、多くの掲載内容の一社に過ぎず、費用ばかりが消費されることも考えられます。
インターネットでの募集を同時に行ってくれる業者も多くありますので、一度で雑誌への掲載インターネットの活用と出来る点は利点のひとつです。
新聞広告
新聞に直接広告を掲載する方法です。
広い範囲に募集をかけるといった点で評価が高い手段です。また、新聞を読んでいる人は、ビジネスマンに多く優秀な正社員募集では、良質な人材が得られやすいといった評価があります。
全国版以外にも、大阪版や名古屋版のみの掲載や地方限定の掲載なども可能です。
新聞によってエリア内の発行部数に違いがありますので、掲載したい地域のシェアに注目して新聞社を選ぶ方が効果的でしょう。
しかし、費用面では新聞広告などと桁が一つも二つも違ってきます。
例えば、朝日新聞の全国版1ページですと39,855,000円(約4000万円)、日本経済新聞(日経新聞)では同20,400,000円(約2000万円)となっています。
中小企業では一年の売上よりもはるかに多い金額の企業もあり、利用したくてもできない企業の方が多いと推測できます。
直接募集
学校(高校、大学、専門学校、短期大学等)へ直接募集をかける方法です。
各学校により所定の用紙への記入を行い、会社のパンフレットを添付するなどして申し込みを行います。
学校ごとで違いますが構内に掲示して、学生が閲覧してそれぞれ応募する仕組みや高校などでは学校が間に入り履歴書の送付などを行ってくれる場合などもあります。
アルバイトの募集をしている学校も最近は増えましたが、正社員の新卒募集ほどではありません。
インターネットの活用
求人雑誌との平行した募集にも利用できる、インターネットの活用が今は主流です。
有料の求人掲載会社以外にも、無料で利用できる会社も多く出てきています。
無料の会社はHPの閲覧者が広告リンクをクリックすることで収入を得る手法で運営している所がほとんどです。求人情報の悪用にさほど心配する必要はありません。
しかし、一部の悪質な業者が存在しているのも事実です。テレビ広告を行っているなど、大手と呼ばれるサイトを利用する方が安全です。
また、利用者は安易な応募者もいますが、最近は随分と少なくなってきており今後も発展が見込まれまます。
また、自社・自店のHPを活用した求人募集は宣伝効果もある為にかなりの効果が期待されています。
応募者が来る求人と応募者が来ない求人の違い
応募者がイメージできるかどうかを考える
賃金を得るために働くのに募集要項をみた所「当社規定による」なんて求人募集をいまだに見かけることがあります。
極端に少ない給料ももちろん嫌ですが、応募するまで給料がわからない求人に応募する人の方がなかなかいないのではないでしょうか?
大企業なら話はかわりますが、名前の知られていない中小企業や個人商店などではこれでは当然募集はこないでしょう。
求人とは「働かせてやる人を探す」のではなく「働いてくれる人を探す」のです。上から目線の求人募集では今の日本においては難しいのが現状です。
かといって、好条件を記載して入社してから「違うじゃないか!」といった嘘の記載もよくありません。嘘を掲載している場合は、入社後に嘘が判明することが多く、せっかく働いてくれる人を探して教育したのにも関わらず早期退職してしまう原因にもなります。
ひとまず、人手が欲しいからといった気持で嘘を掲載するのではなく、長期的な目線で考えて、嘘偽りのない求人内容の掲載をしてしっかりとした人を採用する方が良いのは明白です。
また、社内の様子や雰囲気が伝わるような内容にしましょう。
求人者は求人募集をみつけた時に知りたい情報は
①どんな会社なのか?(雰囲気)
②自分が向いている仕事なのか?(仕事内容)
③給料はどれくらいもらえるのか?(給料)
④勤務時間はどれくらいなのか?(時間)
⑤どのような人を求めているのか?(募集人材)
といったことです。
つまり、この知りたい情報を満たしている求人募集が「募集しよう」という求職者の中での次のステップに上がる事ができるのです。
繰り返しますが、企業や店側が人を選ぶ時代ではありません。
人手不足の今は働く人が会社を選ぶ時代なのです。
その働く人が知りたい情報を提供する事により、募集人員を増やすことが人材獲得には必要な事です。
したがって、求人者の要望に応えるために、上記の内容を募集媒体に掲載しなればならないのです。
②~⑤は基本的な事柄ですので掲載している企業・店舗が多いですが、①の雰囲気についてはまだまだ掲載している企業・店舗は少なのが現状です。
その為、①の雰囲気についての掲載は他店の求人との競争に勝ち抜くためにはかなり効果的となります。
他店との人材獲得競争を勝ち抜くために、雰囲気が伝わりやすい「店舗内」や「働いているスタッフ」の写真や動画を掲載してみることをお勧めします。
仕事内容も「事務作業全般」などと掲載するのではなく「スタッフの労働時間管理、コピー、電話対応、お客様対応」など細かく掲載することが働くイメージが浮かびやすいでしょう。
具体的な募集している人材記述も必ず行う
昼間のシフトに空きが出ている場合に、学生のアルバイトの応募者が多く来てもシフトを埋めることは難しいのは現状です。
その為に、募集人材を具体的な表現内容で記述することが効果的です。
例えば、先ほど例にあげた昼間のシフトに空きが出ている場合は
「昼間シフトに入る事ができる主婦のパートを募集中」などと表現すれば「主婦のパート」の求職者の目に入るだろう。
人間は大勢の中でも自分の名前を呼ばれたら気づく「カクテルパーティー効果」というものがありますが、これは文字でも同じような現象が起こります。
それが自分が探しているものに目が行くという効果です。
「主婦でパートを探している人」は「主婦でパート募集中」の文字に目が行くのです。
このように募集人材の掲載は求人募集の際に必要な情報なのです。
求人をする際に多くの応募を獲得する方法
ハローワークでの求人募集もインターネットでの求人募集であっても、まずは求職者の立場にたった内容を記載しましょう。
「元気な人募集」や「楽しい職場です」などと決まりきった言葉ではなく、求人者が求めていることが何なのを考えて、企業・店舗にあった言葉で表現しましょう。
求人雑誌への掲載などの場合は担当者が決まっており、その担当者が内容の案を送ってくれ内容に問題なければ掲載という形が多いとは思います。
しかし、その担当者は求人募集に求職者がより多く、優れた人材が来てくれることを心の底から望んでいる訳ではありません。
一番求人募集に求職はがより多く優れた人材が来てほしいのは、これを読んでいるあなた自身です。
つまり、そのあなたの言葉が一番求職者へ伝わるのです。
その為には、普段から求人情報をこまめに見ることが大事です。
あなたが心を動かされたキャッチコピーなどを見て、学習し研究することが必要です。
まとめ
世界で今まで経験したことがない、少子高齢社会にすでに突入している日本では「働かせてやる」時代は終わり「働いてもらう」時代へと変わっています。
しかし、さらにもう一歩進んだ「共に働いて共に助けあう」といった、考えをもって求人募集をした方がより、求職者目線になるのではないかと思います。
少し話は変わりますが、心理学者マズローの欲求段階説はご存知でしょうか?
人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていて、5つの欲求を満たすことができれば、人間はますます成長し心理的にも健康になっていくのです。
「働かせてやる」仕事は人間の欲求の中で一番下の「生理的な欲求」である飲食を食べたりする為の仕事でした。
次の「働いてもらう」仕事は生理的欲求の上の欲求の「安全の欲求」と「親和の欲求」の為の仕事です。
そして、「共に働いて共に助けあう」仕事はさらに上の「自尊の欲求」を満たすことができるのです。
また、共に助け合うことにより、最上部にある「自己実現の欲求」を満たす事ができると考えられるのです。
もちろん、仕事が人生のすべてではありませんが、仕事ですべての欲求を満たすことが出来れば、非常に楽しく満足な生活が歩めるとおもいませんか?
求人募集の内容で「求人を募集しているあなたの人」はもちろんの事「求職者の人生も満足にすることができる」とそのように思うのです。
素敵な企業や店舗のこれからの為に、そして、素敵なあなた自身の人生を歩むためにも素敵な求人内容で求職者に対してアピールしませんか?
社会人サークル協会では求人募集方法のコンサルも実施しております。
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