アルバイトやパートの採用面接といっても、正社員と同様働いてくれるといった点では変わりはありません。つまり、アルバイトやパートの面接だからといって、正社員と違う基準で判断するのはお勧めできません。
しかし、あくまでもアルバイトやパートなのであって、正社員とは違います。
仕事に対して責任感や義務感がある人が前提となりますが、若いアルバイトの場合には敬語が苦手や、パートの場合には子育ての両立もあるので、そういった面は考慮した方が良いでしょう。
また、中小企業の場合は特にアルバイトやパートから正社員への昇格等も考えられますので、将来的に正社員にしても良い人材かどうかも採用のポイントとなります。
では、具体的な質問例に対して良い回答と悪い回答を説明していきたいと思います。
質問①
■アルバイト(パート)の志望動機はなんですか?
当然のことながら「このアルバイト・パートの仕事の魅力を感じた」などと本音ではない回答で返す応募者が多いとは思いますが、この回答はベターな回答として頭に入れておいてください。
正直な事はとても良い事ですが稀に、すべて正直に話してしまうアルバイト・パート応募者がいます。
「簡単に稼げると思ったので」などという回答をするアルバイトパート応募者には気をつけましょう。
もし、接客業での募集ならこのようなアルバイトパート応募者は「この料理おいしくないですよ」と平然と言ってしまう事も考えられます。また、馬鹿正直な回答も要注意ですが、いい加減な無責任な動機を話すアルバイトパート応募者などにも注意してください。
良い回答例
・昔から御社のような仕事に興味があり今回募集をみたので応募しました。
・将来は御社のような企業で働きたいと考えていましたので応募しました。
悪い回答例
・簡単そうで時給も高いので応募しました。
・僕的に楽しそうだと思ったんで・・・。
質問②
■気楽で簡単な仕事と、難しいけどやりがいはある仕事とどちらを選びますか?
これも質問①とおなじように気楽で簡単な仕事ではなく、難しいけどやりがいのある仕事という答えを出すアルバイトパート応募者がほとんですので、それほど選択肢は気にしなくても良いでしょう。
稀に気楽で簡単な仕事を選ぶアルバイトパート応募者もいるとは思います。
もちろん、理由を聞かないといけませんが、気楽で簡単な仕事を選ぶ理由に働く意欲を感じることは難しいと思います。
良い回答例
・難しいけどやりがいのある仕事を選びます。なぜなら、アルバイトといっても仕事である以上、自分のキャリアアップに役立つと考えているからです。また、キャリアアップをすることにより、これからの人生で社会に貢献できると考えているからです。
※ここまで答えることが出来るアルバイトやパート応募者は、正社員にしたいくらいの回答です。
悪い回答例
・難しいけどやりがいのある仕事を選びます。(理由は延べないや理由を聞いても答えることが出来ない)
・気楽で簡単な仕事です。アルバイトですので気楽に働きたいと思います。
質問③
■未経験の仕事だと思うので難しい事もたくさんあると思います。もちろん、教育に関してはしっかり行いますが大丈夫そうですか?
女性のパートの場合、子どもが学校に行きだし時間の余裕も出てきたので、働きだす人も多いと思います。
そのような人は、パートの仕事内容ではなく勤務地で選ぶことが多くはじめての仕事の場合がほとんどです。その場合に、念のために確認しておかないと採用した後に「できませんでした」となるとパート応募者にも企業側にとっても良い事はありません。
良い回答例
・お気遣いありがとうございます。しかし、大丈夫だと思っています。なぜなら、実は学生の時に同じようなアルバイトをしていた事がありました。
・始めての事ですので正直緊張はするとは思います。また、最初から完璧にこなすことはできないかもしれませんが、最大限の努力をします。
悪い回答例
・自身はありませんが教えてもらえるという事ですのでやってみます。
・大丈夫です!(根拠がない答え)
質問④
■通勤時間はどれくらいですか?
正社員を含めてアルバイト・パートの通勤時間は勤務時間に含まれません。したがって、勤務地まで遠く時間のかかるアルバイト・パート応募者の場合は長続きしないで辞めてしまうことがあります。
おおむね、アルバイトやパートの場合は30分以内を目安にすると良いでしょう。
良い回答例
・電車通勤ですが家からお店まで今日は30分で到着しました。
・車でしたら15分、自転車で25分くらいで来ることができます。
悪い回答例
・電車で1時間くらいです。
質問⑤
■希望勤務時間帯を教えてください。
この質問はとても重要です。
アルバイトやパートの午前の人員が不足しているのに、午後の応募人員を採用しても、アルバイトやパートの午前の人員不足解消にはなりません。
また、アルバイトやパートの人員不足の場合には、人間性や能力よりも希望時間帯のみで、採否を判断することになりかねませんので注意しましょう。
良い回答例
9時~14時が希望ですが多少前後しても大丈夫です。
悪い回答例
月曜日は9時~12時、火曜日は不可、水曜日は13時~15時以外の勤務はできません。(自身の都合のみで、融通が利かないと思われる)
質問⑥
■どのくらいの期間働くことが可能でしょうか?
やはり、アルバイトやパートは正社員と違いすぐに辞めてしまう事も多くあります。
その為、この質問は正社員の時にはしませんが、アルバイトやパート応募者の一応目安として聞いておくというくらいの気持ちでいた方が良いでしょう。
また、パートの場合は急な妊娠や、ご主人の転勤などの突発的な事項での退職も起こりえますし、アルバイトは連絡なく来なくなることもあります。
良い回答例
・出来る限り長く勤めたいです。少なくても1年など年単位での勤務を考えています。
・はっきりとはわからないのが本当の所ですが、主人の転勤など急なことがない限りずっと働きたいと思っています。
悪い回答例
・現在就活をしているので、正社員が決まり次第辞めるつもりです。
・仕事をしてみてから考えるつもりです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
正社員の募集の場合は直球勝負の質問といったところがありますが、アルバイトやパートの場合にはあえてゆっくりの球の質問を投げてみる事も必要になってきます。
相手の立場と、企業や店舗側の立場にたちお互いが良き理解者になれるように努めましょう。
正社員、アルバイト・パート問わずにスタッフは、「働かせてやっている」のではなく「働いてもらっている」のでもなく「共通の目標達成のために集まっている仲間の募集」との認識で採用する方が良いでしょう。
そんな採用のアドバイスを社会人サークル協会では行っています。詳しくはお問い合わせください。